花実みっけ

お花だいすき!

気力を奪う方法

やる気ナシの理由

庭や畑を歩く用のサンダルが、勝手に新しいのに替えられてしまいました

本人はいいことしてるつもりなのでしょうが、わたしは不愉快です。替えのサンダルは、好みじゃないどころか、妥協もしたくない色です。だから履きません。

「家用のサンダルくらい、いいじゃないか」という声が聞こえてくる気がします。でも、問題は好みだけではないのです。

 

わたしはこうして"お勉強"した

最初にクロックスのようなサンダルを家に持ち込んだのはハルハナでした。お祭りに行ったら、露店の後ろの商店街の店先で、すっごく安く売っていたのです。「こういうのラクだっていうし、試してみよう」と思い、買いました。サイズがよくわからなかったので、ちょっと大きめのものを選びました。そうして、そのサンダルを勝手口に置いておきました。

家族が興味を持って「ちょっと履いてみてもいい?」あるいは「そういうの、どうなの?」と聞いてくることがありました。「ちょっとならいいよ」「手を使わないで履けるし、すっごく軽くてラクだよ」と言いました。いつの間にやら、それぞれ、自分で購入してきました。

あるとき、勝手口から外に出ようとしたら、わたしのサンダルがありませんでした。小人さんAが履いていたのです。「ちょっと試すくらいなら……」とそのときは思いました。しかし、「ちょっと試す」程度では済まず、何度も何度も繰り返されました。「それ、わたしのだから返して」と言うと、「まだそこに履物があるじゃないか」と言われます。ええ、ありますよ、わたしにはちょっと小さいつっかけと、わたしには大きすぎて重いサンダルが。つまりそれらはわたしの履きたいものではないのです。それに、はっきり言って、体重がハルハナの倍ほどあろう人間に履かれたサンダルは、ハルハナにとってはもう足を守ってくれるものではありません。アスファルトと同じです。歩くときの着地の衝撃を吸収してくれません。靴底が回復するのに数日かかります。だから所有権を主張するのです。そのうえ小人さんAは、勝手口で履いたものを勝手口ではないところで脱ぐのです。ごはんの準備にわたしが野菜を取りに畑に行こうと思ったら、勝手口やら玄関やら掃き出し窓やら、家じゅうを見なくてはいけないこともしばしばでした。ひどいときには、わたしのサンダルを履いて車庫に行き、そこで自分の長靴に履き替えて畑仕事をし、長靴を勝手口や玄関で脱ぐのです。そうしてついには、「あれ、もうずいぶん古いし、捨てておいた」と言われる事態になりました。

あれはわたしの! わたしが選んだ! 履かれたことに気づくたびに、わたしのだって何回も言った! なんで勝手に捨ててるの? わたしのなのに!!

こういった内容を、ひとしきり訴えました。

「これ、新しいの」と出されたサンダルは、ギリギリ妥協できる色合いでした。しかし、わたしが買ったサンダルより靴底が弱いものでした。新しいサンダルは、未舗装の場所を歩くと、足裏にデコボコを感じるのです。さながら健康サンダルです。新品のときでさえ思いました。「どれだけくたびれてても、捨てられたあれのほうが信頼して履ける」。

そして、その新しいサンダルも、当たり前のように履かれてしまったのです。ようやくハルハナ専用になったのは、雨上がりにまれに足を滑らせるようになってからでした。

 

"お勉強"の成果

そういうわけで、替えのサンダルを、嫌味でも「ありがとう」と受け取る気にはなりません。色が気に入らないだけじゃない、どうせあなたも履くんでしょ

 

サンダルをなくした今

履いてもいいサンダルをなくしたその日、外出用の真っ白いハイヒールでうろうろしていたら、小人さんBに「キュウリに肥料をやってくれないか」と言われました。「(どうにか腕が届くから)やるけど、しばらくは足元見てから頼みごとしてね」と左足を振りながら伝えました。小人さんBは「おお、そうかぁ」と笑っていました。よし、ちゃんと聞こえたし理解もしたな(次の日も覚えてるかはアヤシイけど)。土が柔らかい場所に踏み込めないので、肥料やりはいつもよりたいへんでした。

 

たぶん、今の気持ちは「学習性無気力」です。「次」のことを考える気力が湧きません。もっとも、この場合、「思い出し無気力」のほうが正確かもしれませんが。

 

だれかのサンダルを履くようなちょっとしたことでも、しつっこく繰り返して機会を奪い続ければ、確実に人は心のエネルギーを消費します。イライラするのって、けっこう疲れますからね。自分を嫌いにもなりますし、やる気など、湧かなくなります。履きたいときに履ける保証がない、雨上がりに足が滑らない安全なサンダルよりも、いつでも履けるくたびれて危なっかしいサンダルのほうが大事になります。でもそれって、健全な状態でしょうか。

 

お勉強は続きます (意味深マークなし。これだいじ)

実は、こういったことは初めてではありません。いちおう、対処法は知っています。

まずは、気に入らないサンダルを視界から消し去ること。勝手口は狭いので、4足目は置けません。

次に、新しいサンダルを見繕いに行く

気力を取り戻す方法をわかっていても、行動する気が起きません。だって、選んだものによっては、みたび「 わ た し の ! 」と主張しなければならないんですもの。自分の心をガリガリ削られているから主張するのに、「ワガママ」「神経質」と言われたりするんです。身勝手なのはどっちだっての。ハイヒールのつっかけならだれにも履かれませんが、ハイヒールで土いじりするなんて、ねえ。しゃがみこんで作業するのはラクですが、踏ん張れないので却下です。