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ときどき現れるヘンなヤツ
春蒔きしたキンセンカは、おかげさまで今日もそこそこ元気にしております。残った一株は、ものすごく生命力が強いようでして、センター試験のあった土曜日に降った雪をかぶっても、へっちゃらでした。
大寒を過ぎ立春を迎えたものの、まだまだ寒い時期だというのに、大きな花が咲きそうです。ただ、仕立てにそんなに興味がないものでして、見栄えの点からいえば、イマイチです。そこはわたしの修行不足なので、キンセンカはちっとも悪くありません。
しかし「修行不足」でやっつけられない現象があります。それがコレ。(1月22日撮影)
ぐっちゃぐちゃ。どうなっているかというと、こうなっているんです。はい、後ろがコレ。
ねえ、なんでガクから??? 茎? が伸びてんの?!
この状態になると、切るに切れません。次から次へと花が咲くのです。寒いさなか健気に咲くキンセンカを、不格好だからという理由だけでチョキンと切れるほど、図太い神経は持ち合わせていません。
そう、不格好だとは思っています。認める! こまったちゃんだと思ってる! 認める! 不格好なお花の栄養をほかの枝に回して、そこから見た目のいいお花が出てきたら、もしかしたらお仏壇にあげられるかもしれないし……とも思っています。あとついでに、盛りの時期だったら迷わず切ってる、それも認める!
かわいそうでかわいくて、そして自己中な気持ちの三つ巴です。
この状態で、ずいぶん長いこと過ごしてきました。
愛でるだけ愛でたらいいじゃないか!
ある日の午後。
あっちこっち拭き掃除をしたあと、休憩しようとマグを片手にふと見た花瓶ではスイセンがしなびていました。変えなきゃと思いつつも放っておいていましたが、「あそこもここもきれい! わたしもご機嫌!」モードなわたしに、しなびたスイセンはいりません。見るとがっかりしちゃうからです。
このときばかりは休憩を先延ばしにして、花瓶とハサミを持ってお庭に出ました。
スイセンは飽きたし、梅は地味に大変なんです掃除が。却下。バラはわたしのではないし貴重品だし物理的に手が届かないからダメ、サザンカも気分じゃない。菜の花でも探しに行こうか……と思っていたところに、目に入りました。
こまったちゃんのこの子が。(注:この写真から10日以上経っています。)
うん、これがいいや。
積極的に「これがいい」と思ったのは、
- 花瓶に活けるという理由で、良心の呵責なく切れる
- 愛できれれば=花が完全にしおれていれば、捨てるのに抵抗はない
- 他の花芽に栄養が回る
からです。いいことずくしですよ!
気づいてしまったからには実行するしかありません。躊躇することなくチョキンと切って、ひょいと花瓶に挿しました。
こまったちゃんはこまったちゃんなのだった
そうして今の状態がこれです。
これだけ咲いてて茎は1本しか切っていません。すごいやほんと。
それにしても、真ん中の空白はどうにかならないものなのか。そもそも正面はどこだ?
ぐるぐる回して撮ってみた別アングルがこちら。
真ん中だけ見たら正面ぽいですが、ぴょこぴょこ飛び出ているものたちが好き勝手な方向にご挨拶しています。
みんな~、レンズのほうを向いてよ~。
しかし、切った茎は1本。直しようがありません。ハサミも置いてきちゃったし、頭が重いと落ちてしまいますから、ぴょこぴょこの根本で切って使い物になるという保証がありません。「捨てる」という選択肢を用意していない不便さよ……
結局、「まあどうせわたししか見ないんだし」と、この状態のまま定位置に飾りました。
冬にも花が咲くなんて、春蒔きキンセンカはお得だな。