お盆も片手では足りない年数を経験してきたわけですが、今年はこれまでとは別方向で得ることがあったので、メモ。
まず、一言で「親戚」といっても、いろいろな親戚がいます。
血の濃さではなく、関係の濃さで、「いつも」いらっしゃる方々とは「どーもどーも」的なノリができるようになりました。年3回お会いする親戚で、「流れ」がお互いに分かっているから、できることです。「冷たいお茶にします? あったかいお茶のほうが?」から始まった関係性が、ここまで来た! 感慨があります。
「この1日だけでたくさん回らなくちゃいけないから、必要以上に引き留めないでほしい(お茶を飲んだらすぐ帰る)」という親戚もいますし、「たくさん回らなくちゃいけないけど明日以降もあるから、(お茶を飲み終わっても)興が乗れば話していく」親戚もいます。
お盆のみにいらっしゃる人もいますし、法事と新盆だけの方もいます。言い換えれば、コロナ禍の人数制限で「話せるがゆえに参列を遠慮してもらう候補」に上がった人ですね。
その一方で、はあ、名前だけはそういえば聞いた・見たことある気がいたしますけれど、枝分かれした親戚図のどこの先で? という方もいます。言い換えれば、初対面ではないと思うけど初対面枠で、関係が遠いからコロナ禍で遠慮してもらうのを遠慮せざるを得ないような距離ですね。はあ、あの方と近しい……(??? 思ってたうちのと違うみたいだ、よく呑み込めないが流すが吉)そうなんですね、わざわざご丁寧にありがとうございます、どうぞこちらでお線香を……
振り返れば、お客さんが10人もいた時間帯があり、今年は密度がすごかったです。エアコンをつける前に第一陣が来てお線香あげて座ったと思ったら次から次へとどんどん来ちゃってエアコンのリモコンが部屋の奥すぎて遠くてつけられず、窓全開で扇風機つけたけど超暑い部屋のできあがり。汗だく。1台に乗合わせてきてた親戚や、自転車で来てた親戚もいますが、自動車、どこにどう停めたんだ?と、疑問です。100メートル以上歩いてる人も、いそう。
で、ですよ。この高密度とは違う時間帯に、おひとり、ご本人は姻族で、小人さんBと血縁の配偶者を「車で乗せてきただけ」のスタンスでいらっしゃった方がいました。
車の動きがとまった、ライトが消えた、エンジンの音もしない……よね、けどなにか準備があるのかな、そのうち上がってくるだろう………………来ない!
8月の真ん中に!
晴れた日に!
話し好きの配偶者は、エアコンのゆる~く利いた室内にいるのに!
まさか炎天下の車中に放っておくことはできませんよ!
というわけで、お茶淹れに出遅れたハルハナ、出動。
「どうぞ上がっていってください」
「ここは暑いですから」
「中のほうが涼しいですから」
撃沈。
相手はお年寄りと言って差し支えない年齢です。暑さは理由にならないようです。ぶっちゃけますと、おそらく、お互いにお互いを知りません。ハルハナは「〇〇さんの配偶者か息子か……?」という推測ですし、あちらはきっと「この家の人だろうけど、だれだ?」状態だったと思います。とにかく、あちらには笑顔がありません。やり過ごしたいオーラが満載。
これはわたしには無理だと悟り、家族に選手交代を申し出ました。
お茶を淹れていると、すんなりと家の中に上がった気配がしました。すごい。どんな魔法を使ったんだ?
あとで聞いてみたところ、
「せっかくここまでいらっしゃったんですから、お線香を手向けていってください」
「知らない間柄でもありませんし」
というようなことを申し上げて、車から降ろすことに成功、家の中に誘導したそうです。
なるほど。
内心で「だれだろ?」と思っていたハルハナが同じことを申し上げたところで、すんなり運んだかは疑問ですが、TPOに合わせた、情に訴える方法を取れなかったことを、反省しました。まだまだ、未熟者です。
お心のある方でしたら、お線香を手向けるでしょうし、そういう心づかいはしない方でしたら、それはそれということで。
ですが、一言申し上げたい。
この真夏の炎天下に車中で待ってて、帰り際に救急車を呼ぶ事態になってたら、とは考えないのか、と。
よくは知らない親戚だから迷惑かけてもどうでもいい、上がる方が気づまりだから、上がりたくない。別にいいですよそれでも。でも、車に乗せて来た家族がいるんでしょうが! その家族を連れて家に帰らなくちゃ、仕方ないじゃありませんか!
家に帰るまでが遠足!
家に帰るまでがライブ!
それといっしょです。
だから、家族の付き合いの付き合いで運転してきている方も、訪問先のおうちに上がって、形式的にでいいのでお線香を手向けて、家族にテキトーに話しをさせて、頃合いを見て「そろそろ」とか「ほかにもいかなくちゃいけない」とか、話の途中でも次のお客さんが来たときに切り上げ(させ)ちゃうとかすればいいんです。
どうか、真夏に自動車の中で待つのだけは、やめてください。
ちなみにこのときのお客様方、結局1時間ほどおしゃべりしていきました。小人さんBの姪御さん、話し好きだからね、車から降りて座って、笑うべきシーンで笑顔をちょろっと出せばいいんだからね、最初から・自分から・降りてよ!
この1時間で、お盆に遠方の実家に顔を出すために、訪問が双方向のおうちの人が来たら「悪いんだけど持ってって」と言ってお香典とかを渡しちゃうんだとか、役立ちそうなことも聞きました。3人いれば、「おうち担当」「外回り担当」「実家に帰る」ができますが、夫婦二人暮らしで「迎える側」のおうちは、それができないんですね。ハルハナはずっとおうち担当なので、他のおうちのやり方を知らないのです。ですので、こういう話を聞くことができたのは、幸いでした。は~、ほんと、いろいろあるのね。本来うかがうところをそれで済ませてしまうがために、他でなにか心づかいをしているのでしょうね。
余談。
毎年のように忘れるお茶ですが、今年はキチンと、午後3時前にお供えしました。
それを仏様が飲み終わってから(お茶をお供えしたタイミングであげたお線香が消えてから)、お寺に送りに行きました。
やったね!
以上、2023年のお盆反省会でした。
「お線香、手向けて行ってください」。おぼえとこ。