花実みっけ

だいすきフェイジョア!

野良猫のお気に入り(出てって!)

ハルハナのだいじな大事なハウスに、野良猫が居座ろうとしています。

出てって!

 

最初に気づいた異変は、足元に落ちている発泡スチロール片でした。ぼろぼろになっちゃうようなの、あったっけ? いや、なかったよなあ。不完全とはいえ、日よけもしてあるし、いっきにこんなに増えるはずが……、変なの。

 

2~3日、首を傾げ、ついに、その理由を知りました。

 

猫。

野良猫しか知らないわたし基準で、でっぷり太った、明るい毛色の猫。

この辺をうろつく、やせ細った黒猫がいるのは知っていましたが、それとは違う、猫。

 

問題の野良猫のお気に入りは、イチゴ用に保管している藁の束の上です。日当たり抜群、ぬっくぬっくの、藁の上。

発見した日、時節柄もあり、「おひな様にでもなったつもりか?」と思いました。

この野良猫、神経がずぶとくて、わたしがちょっと姿を見せた程度では、動じません。

手ぶらなりに大きい音を立てても、動きません。

藁の上なので、ジョウロの水をかけるわけにもいきません。

粗相はしてないみたいだけど、おとなしくもしてるけど、出てってくれないかなあ。

1日目は、人間の敗北です。

 

2日目は、何かと便利に使っているナベと太い木の枝で、大きな音を立てて追い立てる作戦を試みました。

カンカンカンカン!

さあ、逃げるか? 逃げるよね!

…………

野良猫は、興味深げに見ているだけです。

この作戦もダメか。

 

夜、インターネットで、猫のいやがるものを調べました。自治体でも情報を出しているようで、大いに助かりました。

柑橘類……ゆずの果実が落ちてるのを踏みまくってるのに居座ってるんだから、無効だろうな。

コーヒー……毎日飲んで乾燥させるのに干してるから、考える余地はある。干す場所を変えればいい。でももし野良猫が動かしてこぼれたコーヒーがらにダンゴ虫やら微生物やらが寄って来て、ついでに藁を分解しちゃったら、本末転倒だから、不採用。

ニンニク……芽が出てて料理に使う気がしないのがあるから、第一弾はこれでいこう。茶葉を入れる小分けパックがあるはずだし、片付けも楽。(使ってない小分けパックを数枚でも減らせるところも良い。)

自治体ホームページには、ほかの「猫がいやがるもの」もたくさん掲載されていました。また、水入りペットボトルに効果がないことも書かれていました。そういえばペットボトルなら初日に日陰を選んで置いてみたっけ。効果なかったね。

 

3日目、ハウスの外から、棒で威嚇してみました。ビニルに触れたらビニルが破けて、温室栽培のあれとこれとそれと、早咲きを狙っているあれとこれとそれとが台無しになっちゃうので、ビニルに触れてはいけません。反対側のビニルが大穴空いててぼろぼろのぼろなので、こっち側まで破れちゃったら、風が自由に通り抜けちゃうの。

さて、野良猫。なんとなく、脚が動きそうな気がします。今日は、勝てるかも。とりあえずどいてもらって、さっき刻んで小分けしたニンニクパックを藁の上に置くんだから!

固い決意で、怖い顔をしながらビニルハウス越しに棒を突き出すこと数回、ついに猫が動きました。すかさず、大きな音作戦で追い打ちをかけます。……あっ、こいつ大きい音には効果がない!

ただ、ハウスの骨をたたくと、効果がありました。骨をたたいて、出口に向かわせます。木立で人間がハウス沿いに移動できないところに入られちゃったので、今度は中からカンカン。猫を数メートル移動させて、わたしは外へ。また外からカンカンします。中にいたら、猫がハウスから出られなさそうだからです。

ハウスの半分以上を移動した猫は、観念したらしく、出入り口からするっと出て行きました。

よしよし。

刻みニンニクパックを藁の上にポンと投げ、出入り口として確認した、正真正銘の出入り口の把手には、ニンニクパックをぶら下げました。わたしにもきついニオイだけど、しょーがないですね。

きついニオイついでに、イチゴの葉の裏にくっついてるアブラムシとか、どうせその辺で越冬したであろうクモとかも、追い出してくれると助かるんだけどなあ、ニンニクさんよ。

 

日暮れ前、ハウス内を見に行くと、野良猫の姿はありませんでした。戦い2日目の16時頃に、家族が「あの猫、あそこに住み着く気なんじゃないの?」と言っていたので、上出来だと思われます。

万が一、敷地内で野良猫に万が一があった場合、その一切は、自費になるのです。飼ってないのに、エサもやってないのに、自費。それは遠慮したい。

以前、敷地の脇の公道でそれを見つけてお片付け依頼の電話をしたときには、役所の人に「そこは公道ですよね?」と数回にわたって念を押されました。公道ですよ。公道。だから、敷地内じゃないですってば! このときに、飼ってなくても敷地内でだったら回収しない話を聞いたのです。そうなんですか、でも公道にあるんですよ、敷地内ではないです、道路上です。

その経験があるので、とにかく、敷地の外に追い出したかったのです。

 

さて、この勝負から4日経過しました。

その間に雨が降りましたが、濡れる場所にあるニンニク袋からも、まだにおいがします。顔を近づけないとわかりませんが、まだ香っています。「香る」でいいかと思えるくらいに、マイルドににおっています。藁の上に投げたものは、藁ににおいが移っていることでしょう、わかりませんけども。

居座るのを阻止できたようで、一安心です。

ただ、戻ってくる可能性を頭に入れておいた方がいいようなので、適当なところで、ニンニクを新しいのに変えようと思います。使ったニンニクは、コンポストもいいけど、……ほうれん草のところに蒔いたら、鳥がつつかなくなるとか、そういう効果、ないかなあ。